農地転用では、許可書が出た後に、さらに農業委員会に提出しなければならない書類があります。転用の工事完了報告書です。
転用工事が完了したら報告
転用工事は、やむを得ない事情があるときを除いて、予定した事業着手時期から3カ月以内に始め、工事が完了したら、市町村農業委員会すみやかに報告します。
工事が終わっていない場合は、許可の日から3か月後、それから1年後ごとに工事の進捗状況を報告します。
奈良県の場合、報告書に記載するのは以下の点です。①から④は転用許可書に記載されています。
- 転用事業者
- 許可年月日
- 許可を受けた土地
- 転用目的
- 工事完了の時期
- 完了していない場合は進捗状況
報告書には写真を添付
報告書には、写真を添付します。申請地の位置や利用状況、被害防除対策がわかるものでなければなりません。青空資材置き場なら資材を置いた状態、青空駐車場なら車を置いた状態です。土地の周囲に赤線を引きます。
進捗状況を報告するときは、工事の概略がわかる写真を添付し、工事工程表、計画平面図などを必要に応じて提出します。
報告書の提出は郵送(一部市町村はメールでも)が可能です。
報告しなかったらどうなる
工事の進捗状況報告や完了報告がないと、以下のようの段階を踏んで行政側が対応します。
- 文書で報告を督促
- 督促に応じない場合は事情聴取
- 計画通りに事業を行うよう指導
- 指導に従わない場合は勧告
指導や勧告が行われるのは、事業着手や完了が、予定より3カ月以上遅れている場合などです。勧告では、「計画通りに事業を行わないと許可処分を取り消すことがある」と通告されます。これに従わないと、許可の取り消し処分を受けたり、別の農地転用申請をしても許可されなかったりします。
計画通りに事業が実施できない事情が発生した場合は、事業計画の変更手続きをします。
▽農地法に係る事務処理要領
農地法に係る事務処理要領(平成21年12月15日施行)
勧告を受けた者が、当該勧告の内容に従って事業計画の過半について工事を完了しない限り、新たな別の農地転用の許可申請があっても、当該許可申請に係る事業実施の確実性は極めて乏しいと認められることから、許可は行わないことが望ましい
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