新しいエネルギー基本計画で、農地転用による太陽光発電設備の設置について、どのようなことが言われていますか
荒廃農地に太陽光発電設備拡大
政府の新しいエネルギー基本計画が12月25日、経済産業省の審議会で了承されました。農地に設置する太陽光発電設備については、「営農が見込まれない荒廃農地への再生可能エネルギーの導入拡大を進める」と明記しています。国としては、農地転用などによる太陽光発電の導入を推進していく姿勢です。
エネルギー基本計画は3年に一度見直されています。今回の計画では、再生可能エネルギーの割合を、2040年度に全体の4割~5割に引き上げ、最大の電源にすることをうたっています。2022年度の再生可能エネルギーの割合は22%でした。
再生可能エネルギーの導入促進ための施策として、以下のような目標を定めています
- 国は、2025年度までに、少なくとも100か所で脱炭素先行地域を選定
- 地方自治体に、再生可能エネルギーの導入を図る条例の策定を促す
自治体に目標設定促す
太陽光については、太陽光発電設備については、適地の不足などから、近年、年間導入量が低下しているとし、建築物の屋根や壁面の有効活用を図る方針です。
農地転用との関連で注目される地上設置型については、地方自治体に再生可能エネルギー導入の目標設定や促進区域の設定を促します。
優良農地の確保を前提として荒廃農地に設置を進め、営農型太陽光発電についても、事業規律や適切な営農の確保を前提として導入を拡大します。
太陽光パネルの排出量が2030年代以降に増加する課題については、太陽光発電設備の廃棄費用の外部積立てを求め、太陽光パネルのリサイクル義務化も検討します。
このほか、太陽光発電については
・長期安定適格太陽光発電事業者を認定し事業を集約する
・海外依存度の高い太陽光パネルについて国内産業の競争力を高める
といったことも盛り込まれています。
地域との共生を重視
再生可能エネルギーの導入推進の一方で強調されているのは「地域との共生」です。このところ、安全面、防災面、景観や環境への影響、太陽光パネルの廃棄についての懸念が高まっているとし、地域の理解を得られるようにすることが重要だとしています。
2024年に施行された改正再エネ特措法では、周辺地域の住民に対する説明会などの実施がFIT/FIPの認定基準となっています。
*FIT
固定価格買取制度のことで、再生可能エネルギーで発電した電気を、一定期間、電力会社が固定価格で買い取ることを国が約束する制度
*FIP
固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定の補助額を上乗せする制度
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